HIRAETH 311 Experience

会員

川越市・埼玉県各地当事者支援団体

ここカフェ@川越

代表 鈴木直子

震災前はいわき市で結婚と同時に夢のマイホームを建て、2人の娘にも恵まれ幸せな生活を送る。原発事故後は、誰も知り合いのいない埼玉県川越市に避難。2年間の母子避難を経て夫が転職し家族4人で避難中。

孤独を感じないように常に情報共有や声がけを意識

避難先で困っていることの上位に「貧困・孤独」があります。自分達でも解消できることは孤立防止ではないかと考え、LINEグループを作り常に情報発信を行っています。コロナ禍でなかなか会えない時にも孤独を感じないように、方言を多用しての情報共有や誕生日の方へ「おめでとう」と発信したりするだけで、自分を気にかけてくれる人がいる安心感や繋がっている実感があり不安解消に繋がっているように思います。返信がない場合などは個別で様子を伺ったり細やかなケアも意識しています。「困ったときはおたがいさま」をモットーに個別の相談にも力を入れております。

「避難者は苦労が多くて可哀想」という思いが強すぎた

2012年の設立当初、強制避難区域からの避難者数が多かった埼玉では、周囲からの無理解などにより心無い言葉を浴びせられたり、避難者同士のトラブルもあり「ないがしろにされている「」居場所がない」と感じている自主避難者がたくさんいました。そこで「ぽろろん」という自主避難者のための団体を立ち上げ「ぽろろん」と「ここカフェ@川越」の2団体で活動してきました。今は統合した形で活動していますが、ぽろろんで発行していた冊子を通して避難に対する周囲の理解も少し進んだように思います。また、活動を始めたばかりの頃は「避難者は不遇な苦労が多くて可哀想」という思いが強すぎて、必要以上に避難者をお客様扱いし、運営側と市民ボランティアが「おもてなし」をする形で交流会を行ってきました。数年経ってもなかなか馴染めない方が多かったのですが、避難者も「お客さん」にせず、役割を持ってもらい一緒に活動することによって仲が深まり、悩みを打ち明けてもらえるような関係性になってきたように思います。

困ったときに安心して頼ってもらえる存在でありたい

国や自治体が主体となった孤立防止の支援策や定期的なイベント開催、原発事故を風化させないための講演会・市民活動などが必要だと思います。当団体としては、避難者同士の繋がり、避難先での市民と繋がりを大切に継続していきたいと思います。今回のコロナ禍により困窮した世帯も多く、世の中の不穏な雰囲気や親の不安な様子で、被災時を思い出しフラッシュバックする子供がいるなど、まだまだ震災トラウマ・PTSDの問題も根深く、これからさらに貧困や健康被害の問題も出てくる可能性もあります。まずは自分の気持ちを吐き出せる場所があることがとても大切で、怒りや悲しみの感情をしっかりと表に出すことが大事だと思います。困った時に頼ってもらえる、打ち明けてもらえる信頼関係を築きながら、気持ちを吐き出せる場所を維持して、避難先でできた仲間が支え合うような感覚を持って活動を続けていきたいです。

連絡先

ここカフェ@川越

Tel: 070-5080-4494
Mail:  pororon311@gmail.com