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会員

埼玉県支援団体

NPO法人 埼玉広域避難者支援センター(福玉支援センター)

誰もが今居る場所で安心して暮らせる社会を目指す

2011年3月震災と原発事故のあと、さいたまスーパーアリーナに多くの方々が避難されて来られました。その支援活動の中で私たちは出会いました。その後、埼玉県内の各避難所等で支援を行った個人や団体・避難当事者によって県内各地に様々な交流会が立ち上がりました。私たちは避難者の方が少しでも安心して過ごすため、またその場での適切な支援を届けるために、そうした支援団体が情報交換し連携を強めていくことが必要と考えました。2012年からの『福玉便り』の発行や連携会議『福玉会議』の開催を通じて支援のネットワーク化を進めました。支援の長期化・多様化を見越し、行政や他機関との連携を強化することを目的として、2015年12月に「埼玉広域避難者支援センター(福玉支援センター)」を設立しました。相談や交流会で得た要望や生活情報は『福玉便り』の紙面で広く発信をし、誰が今だ続く「避難の現在」への理解を深めることができるよう努めています。ほかにも『福玉便り』の避難者への発送や避難者数アンケート等の実施を通して、官民協働の支援関係づくりにも努めています。生活再建の相談にはまずじっくりとお話を聞き、こうした県内外で構築してきた支援ネットワークを大いに活かしてできる限りの対応を心がけています。帰還・移住の選択を問わず、誰もが今暮らしている場で安心して生活できる社会を目指しています。

マンパワーや議論不足のまま走り続けざるをえない状況がもどかしい

震災後、県内には様々な支援団体が立ち上がり、どの団体も熱心に取り組んできました。私たちは『福玉便り』の発行や会議等での情報交換を重ねることで、各団体の個性を生かしながらゆるやかな関係が県内に広がり、そのゆるやかなネットワークが継続できる土台になれたら、と思ってきました。ただ、そもそも実働メンバーの数が少なく、全員が他の仕事を抱えているため、次第に共有する時間の確保が難しくなってきました。時間の経過とともに支援の在り方や活動の方向性など時間をかけて議論すべきことも多々あるにもかかわらず、叶わないまま走り続けざるを得ない状態です。個々人の活動や力量、ものすごい集中力を発揮することで、なんとか定期的な発行と相談事業の運営をこなしています。目指すところや姿勢に変化はありませんが、立場や見解の相違などが当然出てきますし、団体間の関係にも変化が生じてきました。ゆるやかなネットワークであるからこそ、対話や協議などに時間をかける必要があります。そのことは十分承知しているのですが、丁寧に取り組めないでいる現状がもどかしくもあります。もっと幅広く参画してもらえるような体制づくりを検討する必要があったと感じています。

「まだまだ、これから」が合言葉

県外避難をしている方々が様々な「つながり」を感じ、安心や安全を感じて暮らせることはとても大切です。私たち自身が埼玉県で多くのつながりを作り、いろいろな助けを借りて、知恵を出し合っていけば、「安心して声を出してください」と言えるのではないかと思っています。そのためにも避難者支援に取り組んでいる個人や団体のみならず、住んでいる地域の各種団体や機関、自治体の担当部署など多方面と交流し、情報交換を行うよう努めてきました。10年が経ち、これからはこうした連携や情報共有はより重要になってくると考えます。特に自治体の担当者は変わっていくため、今後も定期的に働きかけを継続しながら今までのように丁寧な相談対応に努めていきたいと思っています。

私たちが直接出会い、お話を聞く避難者の方は限られていますが、出会っていなくとも、多くの避難者の方々が近くで生活をしているということを私たちも常に意識しています。それを広く多くの人に発信していくことがまだまだ必要です。粘り強く活動し、少しでも身近な存在になれたらと思っています。そしてさまざまな繋がりを築き、安心して暮らせる社会という「福玉」を多くの力で育てていきたいのです。「まだまだ、これから」が合言葉です。

連絡先

NPO法人 埼玉広域避難者支援センター(福玉支援センター)

〒330-0061
埼玉県さいたま市浦和区常盤6-4-21 ときわ会館1階
Tel: 080-4330-0290/048-749-1677
Mail:  fukushima_soudan@yahoo.co.jp
http://fukutama.org