HIRAETH 311 Experience

会員

岡山県当事者支援団体

一般社団法人 ほっと岡山

代表理事 服部育代
相談員 宮岡義人
相談員 宮岡篤子

2014年6月より「うけいれネットワークほっと岡山」がワンストップの相談窓口をスタート。県内12団体で避難者支援中間支援組織を構成。2016年に事業を継承するかたちで法人化。避難者、帰還者の他、相談員には士業連携として司法書士、臨床心理士を配置し、顧問に災害関連の研究者を迎える。また、各種事業では避難当事者も関わりながら支援に取り組んでいる。

一人ひとりの声を尊重し「その人らしさ」を支える

私たちほっと岡山は「一人ひとりの声を尊重する」ことを基本理念に掲げています。災害が被災者に与える影響は一人ひとりの被災者それぞれに異なります。性別・年齢・障害の有無・小さな子どもや要介護の家族の有無・住んでいた(いる)地域の安全性・家族構成・経済力・家庭や社会における発言力・国籍・人種・宗教の違いなど、その生活状況はそれぞれに違いがあり、個別的であるために社会の中に「語りにくさ」を生み「SOSが出しにくい」「助けてが言えない」状況を招いてしまっています。

災害で受ける被害を減らすためには、脆弱とされる人々や地域が持っている「復元・回復力(レジリエンス)」を高めることこそが重要であると考えます。災害時に直面する困難な課題とそれを乗り越えるために必要な支援とは何か、当事者やその直接の支援者が経験を通して実感しています。多様な立場の人々の知見と能力がいかされるよう、地域コミュニティや社会において、誰もが発言力をもって活動できる環境を整えることや、それぞれの能力を発揮できるようにしていくことが、被災地支援のみならず広域避難者支援、そして現在住まう地域と社会全体の防災力の向上につながります。

「一人ひとりの声を尊重する」ことは、その人らしく生きることを支えると同時に、当事者が主体となり社会課題を解決する際の大きな力になることを信じ、回復する力を支えています。

国・行政・民間団体がそれぞれの課題にどう取り組むか

初期の頃は、広域避難者支援という枠組みがないに等しい中での支援だったため、参照先がないまま当事者が支援に関わらざるを得ない状況でした。原発事故被害という事象は、理解・関心が持たれにくかったため、避難者ではなく「移住者」として認識されたり、当事者自身もアイデンティティをどう捉えたらよいか、その後も頭を悩ませることになりました。既存の支援フレームが不在であり、法整備等もすすまなかったため、直接支援に取り組みながら地域支援への働きかけも同時に行う必要がありました。活動を通して、災害救助法の限界や避難先による支援格差、避難者の正確な把握ができない、長期にわたる広域避難、原発事故避難者への社会的認知の低下及び無理解、被災者の多様な課題を支える仕組み、専門性を要する課題への対処などたくさんの課題が見えました。

災害や災害支援の経験・知見を今後に活かす

孤立を感じてしまう状況を回復させるために社会的マイノリティの「小さき声」を尊重し「語りにくさ」のある社会環境を変える必要性を感じています。「最後の一人まで」伴走支援をするためには、私たちが「あり続けること」が必要であり、活動を継続して取り組むことができるように行政とも連携し、協働することも大切です。そして、平時からまだ見ぬ被災者も含め、災害への理解を啓発しながら、私たちの経験・知見を今後の災害に活かしていけるよう活動していきたいです。「災害ケースマネージメント」の制度導入や災害関連の法整備、見直し、拡充へとつながっていくと良いと考えています。私たちは被災者一人ひとりが尊厳ある暮らしを送れるようになることを願っています。

連絡先

一般社団法人 ほっと岡山

〒700-0921
岡山県岡山市北区東古松1-14-24コーポ錦1階

Tel: 070-5670-5676
相談電話: 0120-566-311
Mail: office.hotokayama@gmail.com
相談Mail: hotokayama@gmail.com
https://hot-okayama.net