HIRAETH 311 Experience

会員

福島県支援団体

NPO法人 ふくしま30年プロジェクト

市民ならではの視点による調査が厚労省への働きかけにつながった

山に自生する山菜と野生キノコは放射性セシウムを溜め込みやすく、これまでも販売後に基準値超が発覚してたびたび回収されることがありました。それに加え、近年はネットオークションやさらに手軽なフリマアプリが一般的になり、山菜や野生キノコの取引も盛んに行われています。

当法人が2020年5月~6月にかけて、フリマアプリ等の個人売買でコシアブラを購入し測定したところ、22件中6件が基準値を超え、9月~11月の野生キノコでは105件中23件が基準値超となりました。これは出品者の知識不足や検査体制の不足、それに加えて、行政の出荷制限地域の設定の甘さもあり基準値超の頻度が上がったと思われます。 当法人が、市民ならではの視点で山菜と野生キノコの個人売買に注目して調査を行ったことは新聞等でも報道され、厚労省がネットで流通する基準値超食品への対応を検討する流れに繋がりました。

理解を得られにくいことや資金不足によって今後の活動への不安も

2011年度は行政に先んじて放射能測定を開始したことで注目もされましたが、行政が次年度より市民からの測定依頼を受け付けるようになってからは測定依頼が激減して、最初の役目を終えることになりました。そして、当法人の中心事業が放射能測定であり、「風評被害」についても行政や地域経済を支える企業とは違う意見を持っていることで、それらに活動の支援を呼びかけることが難しいです。

また、9年前は東日本大震災についての助成金が多数あり、それらを獲得することで活動が成り立ちました。しかし、それら東日本大震災由来の助成金が無くなってきたこと、また、継続的な寄附をしてくれる幅広い層からの支援者を獲得することができなかったことで、今後の活動継続に不透明な部分が出てきています。

健康で文化的な最低限度の生活のために

避難者が健康で文化的な最低限度の生活を営むための支援をしていきたいです。現在の政府の避難解除の流れを見ると、10年後にはほとんどの強制避難地域が解除されている可能性もあり、それによって強制避難だった人々は自主避難者として支援が打ち切られていくと思われます。しかし、原発事故によって起きた問題が避難解除されたことで解決するわけではないことは明白であり、戻る人、戻らない人に関わらず支援を継続していかなければならないと思います。

当法人としては、長期に渡る放射能の影響を数値に基づいて明らかにするために、また、行政の発表する数値を確認するためにも独自の放射能測定の継続が必要と考えています。避難者にとってその数値が、その時々の機会によって裁判資料として活用されたり、帰還する際の判断材料になったり、柔軟に活用してもらえるのではないかと思います。

連絡先

NPO法人 ふくしま30年プロジェクト

〒960-0201
福島県福島市飯坂町字一本松11-7
Tel:  024-573-5697
Mail: info@fukushima-30year-project.org
https://fukushima-30year-project.org