HIRAETH 311 Experience

会員

茨城県支援団体

一般社団法人 ふうあいねっと

代表理事 原口弥生(ヒラエス個人正会員)

2012年5月に「茨城県内への避難者・支援者ネットワーク ふうあいねっと」の設立、2019年4月、同団体の法人化。2014年より代表。設立当初から、ネットワーク団体として様々な当事者団体や支援団体が関わり、広域避難支援を行っている。

行政や支援団体のネットワークで人々を支える

避難元での人間関係を失い、避難先で生活を始められた当事者にとって、同じ体験をした当事者同士がつながること、そして避難先の茨城の地域住民とのつながりを持つことが、一人ひとりの避難先での安心した生活には重要なことと認識し、関係づくりに努めています。また、当事者団体も支援団体も小さな団体ばかりですが、これらの団体同士がつながり、意見や情報交換することで、小さな団体の継続につながっていくと思われます。一つの団体(ふうあいねっと)が、この居住面積の広い茨城県で、それも3,000名以上いらっしゃる方とつながり、支援することを目指すことには限界があります。復興庁・福島県等から広域避難関連の事業を受託している団体や機関・行政はもちろん、地域の多様な団体とも繋がりながら、当事者団体そして支援・地域団体が緩いネットワークで結ばれ、そのネットワークで人々を支えていけるようになる姿を目標としています。

「ふうあいねっと」と当事者が、直接つながっていなくても、私たちの支援のネットワークのどこかと当事者がつながっていれば、広域避難の支援に特化した私たちの活動とつながることができることを実感しています。

課題を抱える人が相談しやすい工夫を

2012年、2013年頃の活動では、やはり茨城の支援者中心のネットワークであり、当事者/支援者という立場関係が強かったように思います。今は当事者とともに活動しています。交流会の参加者は少ないことが多いですが、中には交通手段がない人もいます。課題を抱える人は多くても、相談件数がそれほど多くない印象があります。支援団体への相談にハードルを感じる人も多いと思いますが、こちらの情報発信も工夫の余地はあるので、改善していきたいと思います。

年月が経過したことで深刻化する課題

東日本大震災・原発事故後の広域避難による課題・被害は、まだ継続しており、年数が経過して生活が落ち着いてきている反面、高齢化が進み、孤立防止はより一層重要になっています。年月が経過したことで深刻化する課題もあります。落ち着いた日々を送られている方もたくさんいますが、そうした人でも、今回の新型コロナ感染のように社会が不安定になると、より強く疎外感・不安を感じているのも事実です。10年が経過し「まだ語りたくない」人の多さからも問題の規模や深さ・広がりは、誰にも見えていないと思います。当団体では、おたよりの送付や交流会の開催などを通して、孤立防止・当事者間の関係づくりや当事者グループとの関係づくりを継続したいと思います。また相談対応やアウトリーチ、解決時に必要な多様な支援団体・行政等との連携をし、困窮世帯や生活困難世帯への支援を継続していきたいです。同時に当事者の声や経験を、社会に伝える役割も担っていきたいと思っています。社会的に、風化がより一層進むであろうこれからが、勝負なのではないかと思っています。

連絡先

一般社団法人 ふうあいねっと

〒310-0851
茨城県水戸市千波町1918 茨城県総合福祉会館
Tel: 029-241-5803
Mail: fuai.sta@gmail.com
https://www.fuainet.com