HIRAETH 311 Experience

会員

宮崎県支援団体

『うみがめのたまご』~3.11ネットワーク~

代表 高浜確也(ヒラエス個人正会員)

2012年8月より『うみがめのたまご』〜3.11ネットワーク〜に参加。同年10月に事務局長就任。2018年4月より現職兼任。

当事者と同じ目線に立ち気持ちに寄り添う伴走支援

当会は2011年7月、母子避難のお母さんたちを中心に当事者団体として発足しました。当初は被災3県以外の避難・移住者が半分以上を占めていました。ほとんどは手弁当での活動でしたが、交流会の要望が多くその声に応えようと毎週のように開催。発災当時の話や避難の記憶を語り合い、慰めあったり励ましあったりしながら、ゆるやかなつながりが次第に広がっていきました。発足1年を過ぎたころから、避難先の地元住民も少しずつ運営にかかわるようになり、活動範囲も広がっていきます。発足当初の思いを忘れず、当事者と同じ目線に立ち、気持ちに寄り添い、伴走するような支援をできるだけ心がけたいと思います。

「見えない避難者」の存在とアプローチが難しい

支援者仲間のアドバイスもあり、平成25年度から福島県や宮崎県の補助金事業も申請し、交流会の内容も幅が広がりました。「福島県県外避難者への相談・交流・説明会事業」を委託され、宮崎県に加えて大分県、鹿児島県も担当地域に。3県の県庁を通じて避難者に手紙などを送られるようになったことは支援が一歩進んだ気もします。

一方、九州の避難者は数こそ少ないものの、都市部だけではなく広い地域に点在しています。相談者の居住地が宮崎から遠く、直接の訪問支援がしづらいことも少なくありません。また、自治体が管理している名簿にはタッチできないため、これまでつながってきた人、相談をしてくる人以外へのアプローチは難しく、課題を抱えながらも相談することができないでいる「見えない避難者」の存在も気になり、もどかしく感じているところです。

相談があったとき、すぐに対応ができるようにしたいと考えてはいます。しかし、距離感と課題を抱えながらも相談の手を上げてこない避難者への対応という課題を今後どう解決していくか、悩みはつきません。

発災10年以降の支援をどうしていくかも考えたい

震災から10年が経とうとしていますが、避難者への支援を「10年ひと区切り」とやめることはできないと思っています。行政の支援があるうちはまだ良いのですが、いつまで続くかは分かりません。その中で、資金や人的資源確保との折り合いをどうつけていくかという課題は残ります。

阪神・淡路大震災の被災者支援は今でも続いていると聞きますが、全国規模の広域避難者支援が行われたのは東日本大震災の被災者支援がほぼ初めてと言っていいでしょう。ふるさとから遠く離れた場所を避難先に選んだ人たちの支援をどのように行っていくのかは大きな課題です。同じ立場で支援を行うHiraeth(ヒラエス)会員のみなさんとともに考えていきたいと思います。

連絡先

『うみがめのたまご』~3.11ネットワーク~

〒880-0844
宮崎県宮崎市柳丸町121-3 パストラル柳丸 I-101
Tel: 0985-25-2810
Mail: askme@umitama.info
http://umitama.info