HIRAETH 311 Experience

会員

鳥取県支援団体

とっとり震災支援連絡協議会

代表 川西清美
事務局長 佐藤淳子
支援コーディネーター 大槻枝里佳

関係性ができてきたからこそ話してもらえる「困りごと」を見逃さない

避難者登録のお宅へは年数回の訪問をしています。事前にアポイントを取るわけではありません。いつも玄関先でお話しさせていただき、他愛のない世間話や近況報告を伺います。「お変わりないですか」とお顔を見て帰る場合もありますが、関係性ができてきたからこそ、そこから「夫の体調に波があって…。」「交流会に出たいと思いながら病院以外には外出できていない…。」「最近送ってもらっているお便りや、クイズを楽しく見せてもらっている。」と話が進んでいくとご家庭の様子がわかってきます。

車椅子が必要になった人への対応で地域の社協につなげるなど、具体的に動ける内容もありますが、お母さんが子育ての悩みをぽつぽつと話し出す不安な顔を見ながら「一番の不安要素はなにか」をスタッフで協議することもあります。つないでもまた当協議会へ戻ってしまう案件もありますが安心して相談してもらえる「よろず相談所」的活動をしています。

マンパワー不足解消のためにも連携と体制強化に努めたい

発足当時より、行政委託の事業展開をしてきました。2012年から2015年あたりではスタッフも多く、通常の業務に加え、子どもたちの体はぐくみ事業や、学習支援、サマーキャンプ(保養)なども、団体内のスタッフと支援団体スタッフで事業をしてきましたが避難者数の減少と、事業参加者の減少など避難者のニーズの変化とともに2016年ごろからは、避難者が集う事よりも支援のフェーズの変化で個々の対応が必要になってきました。戸別訪問する場合など市町村社協など他の団体との連携ができない状況で、対応スタッフも少数精鋭の現状となりました。つまり、平素の見守りなどのマンパワーが足りない状況です。

また、鳥取県の支援策である「災害ケースマネジメント」には、東日本大震災広域避難者は入っておらず、今後、継続した支援活動を続けるためにも、行政委託事業の終了とともに、課題解決の支援体制が途切れてしまわないよう、県市町村と連携し体制強化に努める必要があります。

ハブ的役割と心の整理のためのメンタルサポートが重要

まず生活困窮、福祉関係、医療面など関係機関へつなぐハブ的役割が必要です。これは今までも、個々の課題に対して関係団体とのケース会議で都度対応してきたことですが支援体制を整えていくこと(ケースマネージメント化)で、多様な視点での支援ができると思っています。

さらには、メンタルに関してのサポートが必要な場面があります。被災経験のそれぞれの心の整理は時間と、機会と、場所とが大変重要です。その受け皿としての相談対応、拠点運営を継続していきたいと思います。

連絡先

とっとり震災支援連絡協議会

〒680-0051 鳥取県鳥取市若桜町31 カナイビル1F
Tel: 0857-22-7877
Mail: support@tottori-shien.org
https://tottori-shien.org