設 立 趣 意 書

「3.11当事者ネットワーク ヒラエス」
設 立 趣 意 書

 2011年3月11日14時46分に発生した東日本大震災。大地震と大津波、そして東京電力福島第一原子力発電所事故という未曾有の事態に陥り、日本は大きな衝撃を受けました。私たちはそれぞれの土地からそれぞれの土地へ、広域的に避難をすることとなりました。避難生活の中、数々の問題に直面することで、自らも行動を起こさなければならないと感じ、避難元、避難先に関わらず、避難当事者支援団体を発足し、活動を続けてきました。

当事者自らが、広域的な避難者に対する支援に関わることの難しさやもどかしさの中、全国各地で同様の苦悩を抱えながら日々、活動をしている団体との出会いは、勇気や活力を与えあうだけではなく、心が癒される思いもありました。そして、行政機関や中間支援組織、研究者、士業関係者など、さまざまな支援機関に支えられることで、当事者でありながら支援活動を行う意義と、その問題の本質を見出すことができました。

さて、発災から丸7年が過ぎた現在、東日本大震災からの復興を取り巻く状況はどうなっているでしょう。被災地では一定の復興がなされているようにも映ります。しかし、避難者の方々と接すると、住宅支援をはじめとした支援の打ち切りが刻々と進み、その苦しみを口にすることもできない実態があることがわかります。また、被災地からも同様に、孤立や不安、苦しみの「言えなさ」があるという状況が、支援のつながりを通して、私たちに届いてきています。今なお復興が順調に進んでいるとは思えない事象が数多く見受けられるのです。

復興とは、被災者、被害者、避難者一人ひとりのためにあるものであり、それが人間の復興に寄与するものでなければ意味を成しません。

私たちは長年にわたり当事者かつ支援者として「復興」に携わってきました。この意義ある活動経験の中で、私たちが大切にしなければならないものは、一人ひとりが「命と尊厳を守りながら多様性を認めあい、“経験のちから”を分かちあう」ことだと確信しました。
今、改めて、被災者、被害者、避難者の方々一人ひとりの声を拾い、その一つひとつの経験を「知見」として検証を行いながら発信することで、現在の復興に関わる問題のみならず、将来の災害対策や復興政策にいかしていけるような新たな取り組みを、私たちは始めます。

多くの皆様と共に学びあいながら、未来を見据え、安心して暮らせる社会を目指し活動していきます。本団体にご理解とご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

平成30年4月24日

設立発起人  市村 高志
桜井 野亜
澤上 幸子
服部 育代
藤本 昭則

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